子どもたちは「遊ぶものは自分で作ること」「イメージ豊かにごっこ遊びの世界を友だちと楽しむこと」を遊びながら経験しています。
朝登園する時に、「今日は○○しよう」と、したいことをイメージしながら来る子もいます。
「製作コーナー」という、物作りを楽しむことができるコーナーを保育室の中で重視しています。落ち着いて椅子に座って、テーブルの上で空き箱等の「廃材」と道具を使って、自分の遊びに必要なものをじっくり作ります。
「自分から遊びたくなる環境」と「遊んでいる姿を受けとめ合い、刺激を受け合う保育者や友だちとの関係」と「したいことができるだけの十分な遊びの時間」を大事に考え、保育者たちは援助をしています。
【ある日の年少組での出来事】
気の合う同士のAちゃんとCちゃんは、なかなか遊びが見つからず、2人で保育室の中をあっちに行ったり、こっちに行ったりしています。そこに、積み木で電車を作って遊んでいたBくんが「きっぷで〜す」と電車の切符を配りにやってきました。2人は顔を見合わせて嬉しそうに「…。(無言)」
Bくんの「出発しまーす。」の声が聞こえてきても、もじもじしていた2人に
保育者が「出発するんだね」と声を掛けると2人は慌てて乗り込み、
友だちと一緒に電車ごっこを楽しんでいました。
【事例から…】
『自分から遊びたくなる環境』
○保育室には、様々な素材や道具、大型積み木などがあります。
特に大型積み木は、家になったり、電車になったりと大人気です。
また友だちも遊びには大切な環境です。みんなが集まることで
より魅力的な場となりました。
『遊んでいる姿を受けとめ合い、刺激を受け合う保育者や友だちとの関係』
○Aちゃん、Cちゃん、Bくんは一緒に遊んでいなくても、同じ保育室にいることで自然と刺激を受けあっているこ
とがわかりますね。また、保育者も電車に乗るように促すのではなく、Bくんの言葉を繰り返すことで子どもたち同
士をつないでいます。そうすることで子ども自身が「自分で決めて遊んだ」実感を持つことができます。
『したいことができるだけの十分な遊びの時間』
○もし、遊びの時間が十分になかったら、AちゃんとCちゃんは遊びが見つからないまま1日が終わってしまっていたか
もしれません。一人一人が「今日はこんなことをして楽しかった!」と思うことができるように、またそんな思いが明
日への期待につながることができるようにしています。